「足を引っぱる」という慣用句の使い方や意味は?例文や類語なども紹介します!

 

「足を引っぱる」の意味は「誰かの成功や進捗を妨害をする」

「足を引っぱる」は、集団で協力して何か作業をしているとき、結果や成果が出るのを妨害することをいいます。その人がいることによって、成功や勝利といった結果が遠のいている状態で使うことが多いでしょう。また、結果や成果だけでなく、進捗そのものを妨害している場合にも使用します。 妨害する内容は、発言や態度・振る舞い、具体的な行動や雰囲気など限定されません。また、本人が意図的にしていることもあれば、意図せず結果的にそうなってしまうこともいいます。

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「足を引っぱる」の由来や語源

「足を引っぱる」の由来や語源については、実際に足を手でつかんで引っぱられる場面を想像するとわかりやすいかもしれません。何か作業をしていたり、目的のために行動したりしているときに、足を引っぱられるとじゃまになります。 また、全員で取り組んでいるときに物事が思うように進まないと、わずらわしさやいらだちを感じます。それを、足を引っぱられているような状態だと考えたことも「足を引っぱる」という表現の由来でしょう。

 

「足を引っぱる」の使い方と例文

ここまで、「足を引っぱる」の意味や語源について説明しました。「足を引っぱる」は日常的に何となく使ってしまう表現だからこそ、正しい使い方を知ることが大切です。仕事など失敗してはならない場面で誤った使い方をしてしまうことを防ぎましょう。 続いて、「足を引っぱる」の具体的な使い方や例文をご紹介します。

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「足を引っぱる」の使い方

「足を引っぱる」はさまざまな場面で使えます。個人が結果を残せなかったり成績が悪かったりしたことで、集団の成果に悪影響を及ぼした場合、「足を引っぱる」を用います。学業や部活動、仕事など人が集まる場面であれば多くの場面で使えるでしょう。 また、結果や成果に限らず、やる気がない・努力していないといった態度や雰囲気から、周囲のやる気をそいでしまうことに対しても「足を引っぱる」と使います。その場合、本人の発言や人柄に対して使われる意味合いもあります。 「足を引っぱる」は個人を責めるニュアンスで使われることが多いですが、必ずしもそうではありません。たとえば、仲が悪く一緒にいると少しもものごとが進まない2人に対して、お互いに足を引っぱり合っているといった表現をすることもあるでしょう。 また、「足を引っぱる」は結果的に妨害してしまうこと以外に、悪意を持って妨害することに対しても使えます。

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「足を引っぱる」の例文

「足を引っぱる」の例文とニュアンスを解説していきます。 ・自分が最下位だったせいで平均順位が下がり、クラスの足を引っぱってしまった。 自分の結果が全員の成績や勝利に悪影響を及ぼしてしまった例です。周囲に対して申し訳ない気持ちを表すとき、自分で「足を引っぱる」という表現を使うことも多いでしょう。 ・彼が足を引っぱっているせいで、仕事がはかどらない。 結果そのものではなく、進行速度に悪影響を与えてしまうというパターンです。「足を引っぱる」は本人に直接言う場合にはかなり強いニュアンスになるため、自分に対して使うか、その場にいない誰かの話をするときに使われることが多いでしょう。 ・あいつはお前に嫉妬して足を引っぱっているんじゃないか。 明らかな悪意を持ち、意図的に誰かを妨害している場合にも「足を引っぱる」を使います。相手の作業が進まないよう、自分の力を出し切らないことはもちろん、嫌がらせなどをして結果を妨害することも含みます。 ・あの2人はお互いに足を引っぱり合ってしまっている。 両者がお互いを妨害してしまっている様子を表現するときにも使います。

「足を引っぱる」の類語と英語表現

ここまで、「足を引っぱる」をどのような場面で使うのか解説しました。また、使用場面別に「足を引っぱる」の例文をご紹介しました。言葉の意味を学ぶときは、例文もセットで覚えておくことで、実際の場面で自然に使うことができます。特に自分に対して使う場合、「足を引っぱる」はビジネス場面でも十分使用頻度の高い言葉といえるでしょう。 続いて、「足を引っぱる」の類義語と対義語をご紹介します。

 

「足を引っぱる」の類語は「迷惑をかける、足手まとい、足を掬う、足並みを乱す」

「足を引っぱる」の言い換え表現として、「迷惑をかける」は非常に使いやすいので覚えておきましょう。「足を引っぱる」よりも少しやわらかい表現になるのもポイントです。よりかしこまった場面でも使いやすい表現でしょう。 「足を引っぱる」と似た表現に「足手まとい」があります。「足手まとい」は、行動の自由を妨げるわずらわしい存在に対して使います。似た表現に「足枷」「重荷」「しがらみ」「ブレーキ」などがあります。ニュアンスの違いに応じて使い分けましょう。 「足を引っぱる」の中でも特に、悪意を持って意図的に誰かを妨害する様子を強調するなら、「足を掬う(すくう)」という表現が適しています。「足を掬う」には、すきをつくなど卑怯なやり方で相手を転落させたり失敗させたりすることをいいます。 「足を引っぱる」ことを「足並みを乱す」と表現してもいいかもしれません。特に周りの和を乱すような発言や行動をする人に対しては、「足並みを乱す」と言った方が伝わりやすいことがあります。

「足を引っぱる」の英語表現は「drag down」

「足を引っぱる」は英語ではdrag downを用います。 drag downには「ひきずり下ろす」「転落させる」といった意味があります。また、「人を弱らせる」という意味もあります。drag downは他動詞と副詞の組み合わせなので、足を引っぱる原因を主語にして使いましょう。dragのあとに足を引っぱられている人物を目的格で入れます。 A drag me downとすると、「Aによって足を引っぱられている」という意味になります。また、「足を引っぱるな」と命令形で宣告する場合は、Don’t drag me downとなります。