「足を洗う」の意味や使い方を解説!「手を染める」との関係性も説明します!

 

「足を洗う」の意味と類語

日常会話の中で出てくることもある慣用句『足を洗う』。聞いたことや使ったことはあっても、その意味さらりとを説明できるでしょうか? 本記事では、『足を洗う』について、その意味や類語まで詳しく解説します。

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「足を洗う」の意味は「悪いことをするのをやめる」

『足を洗う』は、悪い友人との関係を切ったり、働いていた悪事から抜け出してまっとうな仕事をする、などの意味を持った慣用句です。『足を洗う』からといって、お風呂で物理的に足をこすってきれいにする、という意味ではないのです。 ただし『足を洗う』は、ネガティブなことから抜け出すときだけに使われる慣用句ではないことも忘れてはいけません。現在では、シンプルに現在の職業をやめるときなどにも、『足を洗う』と表現する場合もあるのです。

 

「足を洗う」の類語は「やめる」「身を引く」「足を抜く」

『足を洗う』に似た使い方をする言葉としては「やめる」、「身を引く」、「足を抜く」などが挙げられます。それまで就いていた仕事や、役職から抜け出すことを意味する「やめる」と「身を引く」。また「足を抜く」は、『足を洗う』の類語としては適当でしょう。

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「足を洗う」と「やめる」「身を引く」「足を抜く」の違い

「やめる」「身を引く」「足を抜く」の3つは、『足を洗う』の類語としてあてはまります。しかし、決定的に違う部分があります。それは、『足を洗う』とは違い、〝悪事から抜け出す〟意味を助長しないという点。「やめる」「身を引く」「足を抜く」については、仕事や会社などを辞めるときに使用する方が、違和感なく日常会話でも使うことが出来るでしょう。

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「足を洗う」の由来や語源

本項では『足を洗う』の由来について解説していきます。

「足を洗う」の由来や語源は仏教

『足を洗う』は、仏教に由来すると言われています。修行僧が外で修行して、寺へ帰ってきます。そのまま汚れた足では寺へ上がることが出来ませんから、『足を洗う』ことで泥を落とすと同時に俗世の煩悩を一緒に清めたことに由来すると言われています。 また、日本では江戸時代に遊郭で働く女性たちが、辞める時に足を洗うことで不浄を払っていたという風習からきている、とも言われています。『足を洗う』が、ネガティブな状況から抜け出すときに使われる言葉として使われているのには、このような成り立ちがあったからなのです。 2016年に日本放送協会の放送文化研究部が行ったウェブアンケートでも、回答した589人のうち、実に88%の人が『足を洗う』は〝ネガティブなことから抜け出す〟意味で使うのが正しいと回答しています。

 

「手を染める」のに「足を洗う」のはなぜ?

『足を洗う』に対して、一方では『手を染める』という言葉があります。なぜ『手を染める』のに『足を洗う』のでしょうか。 そもそも『手を染める』とは、「物事の始まり」を意味する慣用句です。つまり、使われる場面としては何か悪いことをしてしまった時だけではないということなんです。 これは『手を染める』の語源が、「初める」の「初」=「そ」から来ているためとされています。年が明けた時に行う「書初め」と同じ読み方をします。また、他の説としては染物職人の手に染みついた染料がなかなか落ちないことから転じて、中々抜け出すことができないという意味を持つに至ったともいわれています。 上記のことから『足を洗う』と『手を染める』は、お互いに全く違うルーツを持ちます。同じように身体の一部を使った慣用句のため勘違いしやすいですが、対義語として使うことが出来る言葉ではないということを覚えておきましょう。 ですが、現代の日本においてはメディアなどの影響で、どっちともとれる意味を持っていたはずの『手を染める』が、悪いことを始めた時限定の言葉のように使われることが増えています。

「足を洗う」の使い方と例文

ここでは『足を洗う』の使い方について、例文を交えて解説していきます。