アップルが新型コロナウイルスの影響で1~3月の売上高予想が未達の見通しに。

 

Appleが1~3月の売上高予想が未達の見通しに

1分でわかるニュースの要点

  • アップルの2020年度第1四半期の売上予想が未達
  • 新型コロナウイルス感染拡大の影響で中国市場が急減速
  • アップル関連銘柄が下落、売りが続く可能性も

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新型コロナウイルスにより生産が遅れるiPhone

アップルによると新型コロナウイルスの感染拡大によって春節後の生産・販売ペースが予想よりも遅れているとして、その理由を2つ挙げています。 1つ目は主力製品であるiPhoneの製造パートナーサイトは全て再開しているものの、社員の健康を最優先に考えたシフト調整を行っていることにより、生産ペースが減速していることです。 2つ目は中国の全ての店舗及びパートナー店の多くを閉鎖しており、営業中の店舗も営業時間を短縮するなどの措置を取っているため販売数が落ち込んでいることです。これらの要因に対して同社は早期正常化に向けて慎重に普及作業を進めていると述べています。

 

市場としても中国は大きい

2020年1月28日(現地時間)アップルはカリフォルニア州クパティーノにある本社において2020年度第1四半期の業績発表を行い、売上高918億1900万ドル(前年同期比9%増)と過去最高となったことを明らかにしました。 同期の米国市場以外の売上比率は61%となっており、そのうち中華圏(香港、台湾含む)の売上は135億7800万ドルと全体の約15%を占めています。 同社は中華圏での売り上げが好調だったことを良好な業績の要因として挙げており、今回の新型コロナウイルスの感染拡大は大きな打撃となるだろうとしています。

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業績が好調だったApple

アップルの2020年第1四半期の売上高は約918億ドル(前年同期比9%増)と過去最高となりました。同社の1株あたりの利益は4.99ドル(同19%増)となり、アップルとしては史上最高となりました。 ルカ マエストリCFO(最高財務責任者)は同年度第2四半期の業績予想を売上高630億ドル~670億ドル、売上総利益38.0%∼39.0%になるだろうと述べていました。

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iPhoneやAirPodsの売上が好調だったApple

昨年9月に発売したiPhone11シリーズやAirPods、アップルウォッチなどのウェアラブル(着用可の端末)の売上が好調で、いずれも100億ドルの大台を超えました。 カテゴリー別ではiPhoneは8%増の559億5700万ドルで総売上の61%を占めました。またMacは3%減、iPadが11%減と不調だったものの、ウェアラブルやアクセサリーが37%増となり売り上げアップに貢献しました。 10月に発売したAirPods Proは既に品薄状態になっており、中国の生産ラインの減速が続くことで更に市場への供給が遅れると見られています。

関連株に売り

アップルの報道を受けて業績の先行き不透明感からアップル関連株には売りが入り軒並み下落しました。ソニーはこのところ7,000円台後半を維持していましたが、17日には7,265円まで下落しています。また村田製作所も13日の6,633円から、17日には6,114円まで値を下げました。 アップル関連株の下げは香港や台湾市場にも見られ、香港市場ではサニーオプティカルテクノロジーが前日比1.8%安、AACテクノロジーが同1.0%安となっています。 台湾市場も同様で、TSMCは1.8%安、ペガトロンが1.0%安とアップル関連株の下げは各市場に共通しています。

 

新型コロナウイルスの影響はどこまで続く?

17日の発表では、新型コロナウイルス感染拡大の影響は限定的であるとの見方を示していますが、感染拡大の収束にはしばらく時間がかかることが予想されており、楽観視できない状況が続きそうです。 ノートパソコン用の部品を製造するQuanta Computer(クアンタ・CP)社も台湾に生産拠点を移していますが、生産量は29%∼36%まで減少するだろうと予想しています。 こうした現状を踏まえ市場では半導体や電子部品関連メーカーに対する慎重な姿勢が強まっており、しばらくはアップルの業績回復の様子を見ながらの取引が続くことが予想されています。